□ 解説5


密度の高い、比重の大きな流動化処理土は作ることができるか、また、なぜ、密度の高い方が優れているのか?

 支持力は載荷面下の土の周辺地盤から受ける拘束圧のもとでのせん断強さから想定することになり、単に一軸圧縮強さだけでは不十分で、三軸圧縮試験の助けを借りなければならぬ場合が生じることになります。
 流動化処理土の利用される埋戻しでは、一般に土被りが浅いから、拘束圧はそれ程、問題にはならないではとのご意見ももっともです。しかし、地震時などの非常事態においての、周辺の原地盤との相互作用を考えますと、そう簡単に済ませてしまって良いかとの疑問を感じ始めています。 

 
 
三軸圧縮試験を行って見ますと、一軸圧縮強さquが同じ流動化処理土でも密度が低いものと、高いものとの差が、図−3のように明瞭に表れてきます。低密度の流動化処理土は一軸圧縮試験の歪み1%位でピーク値であるquを越すと脆く破壊してしまいます。
 しかし拘束圧が増すとピーク値では大きな差はないが、それを越えた後の破壊に至るまでの、残留強度がかなり持続しています。また、ほぼ、同じ一軸圧縮強さを持つと見なされる高密度の処理土の場合には、拘束圧の増加によって残留強度の存在がはるかに顕著に表れてくるのが分かりました。

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図−3

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