□ 解説5


密度の高い、比重の大きな流動化処理土は作ることができるか、また、なぜ、密度の高い方が優れているのか?

 砂礫分に富んだ別の建設発生土に、前と同じ泥水を湿潤重量比(p)で0.4程度の量を加え、固化材量は泥水に対して前と同じにして混練りしましたら、やや流動性が落ちた程度で同じように型枠に流し込めました。この両者の構成材の体積割合を比較すると、図−2のようになっていて、かなり普通の土並みの密度の処理土を作ることは確かにできました。しかし面白いことに、7日養生後の一軸圧縮強さは、密度が高くなった割には、両者とも殆ど変わりはありませんでした。
 

 これは粗粒分を増やし、密度が高くなると固化材量が少なくても必要な強さが得られそうな可能性、あるいは土の細粒分からなる泥水への固化材量によって、粗粒分も含んだ処理土の全体の強さが支配されるのかとも想像されます。

しかし、「土」は多様ですから、そう簡単に言い切ることはできません。細粒分を構成している粘土鉱物の性質の違いによって、かなり特殊なものも出てくるのが、その後の実験例で既に分かってきていますので、信頼できる解明にはまだ時間を要すると予想されます。 

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図−2

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