ですが、我々は努力すると、比重の大きい密実な流動化処理土を造ることは確かに可能であることは間違いありません。ところで、昔から「土は良く締め固めろ」と言われてきました。さて、新しい土とコンクリートの「間の子」的材料である流動化処理土についても、その伝統的教訓が当てはまるのでしょうか。
コンクリートでは円柱形の供試体を軸方向に潰す「圧縮強度」が設計に用いる力学的指標として活用されてきました。地盤・土質工学でも同じ手法の試験を、あえて「一軸圧縮試験」と名付け、試験が簡便である故に、その破壊強さを「一軸圧縮強さ、qu」と呼んで、それを設計・品質管理に便利に使ってきました。しかし、同時に我々は難しい設計条件での検討には、所要の拘束圧下での破壊挙動を知るための「三軸圧縮試験」に頼ってきたのも、コンクリートの場合と違った特徴的事実です。
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