□ 解説4
しかし、これでも固まった流動化処理土の一軸圧縮強さは10Kgf/cm2(1MPa)程度ですから、それで造った構造体は、土の地盤としては相応の強さのしっかりしたもに思えてしまいます。
一方、一般土木用のコンクリートの例と比べてみますと、打設時のコンクリート中の固体分(粗骨材、際骨材、セメント)の体積率は8割、空隙(水分と空気間隙)率が2割程度と、この例では流動化処理土の割合とちょうど、図−2に示したように逆転しています。
図−2
勿論、両者の強さの差は大変、大きいことは言うまでもありませんが、普通の地盤や盛土の比重は、超軟弱地盤で1.35程度、よく締め固めた盛土では1.6〜1.8はあるのが普通ですから、何か、流動化処理土のあまりに大きな間隙率が、かえって奇異に感じられ不安になります。泥土は確かに固まりましたが、これで「土」として本当に良いのでしょうか?
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