□ 解説4


本当にどんな「泥土」でも固めることができるか?

 昔、コンクリート工学の講義で、骨材は泥だらけだったり、粘土を含んでいてはいけないと、たっぷりと教わった私達は、泥状な土が固化材で本当に固まるものか、最初は半信半疑でした。しかし、有機物を含んだ汚泥さえも固めることができる、特殊なセメント系固化材が開発され始めていましたので、並みの泥ならば固められないことはなかろうと、実験してみて驚きました。 

   普通の粘土ぽい土を解泥した泥土は、勿論のことでしたが、最初から極端な例を揚げますが、水道の浄水場から頂いた上水の汚泥、これは色の真っ黒な全く水のような泥水で、含水比(含まれる水分の重量と土の固体分の乾燥重量の比)が1000%をはるかに越えるような汚泥でしたが、高含水比土用のセメント系固化材を加えますと図−1に例を示したような圧縮強さを示して立派に固まりました。 

 
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 図−1

 

  ですから粘性土に水を加えてよく攪拌して作った普通の泥土が、加える固化材量を加減すると、地山相当、あるいはそれ以上の圧縮強さに固まるのは当然でした。(図中のCは固化材のm当たりの添加量「外割り」)

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