(5)盛土工の補助的工法として

 

 図−7に橋台の裏込め盛土部に流動化処理工法を併用した場合を想定しました。橋台裏込めは転圧機械の締固めがしにくい部分ですので、供用後、盛土と橋梁部との段差が生じやすく、維持補修の際の悩みになる箇所と言われています。

 良質の砂を利用したり、ソイルセメント等の安定処理土利用が用いられましたが、既に軟弱地盤地帯での橋台の負担を軽減すべく、気泡混合盛土で橋台裏込めが実際に施工されていることから見ても、同じ発想で、一般の橋台で、図−7のように「流動化処理土」による自己充填的な盛り立ても考えられると思います。

 

 また、高速道路では舗装の平坦性と乗り心地の良さを保つために、橋梁部の舗装と盛土部の舗装との連続化を計るべく、連続アーチ橋の上部に盛土する、いわゆる地覆アーチ橋の採用が計られています。そのような平坦性のない不整形な構造物上での盛土の転圧施工が困難なことを考えると、そのような部分の充填・盛り立てにあたっては「流動化処理工法」が他の追従を許さぬ機能を果たすものと信じます。

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