(3) 建築構造物の埋戻し

 
 図−4に例示したのは、安定度の比較的高い傾斜地を切土して建てられた建物の埋戻しに、地山の劣化を抑えるべく用いられた場合の例です。
 流動化処理土が建築基礎に多く用いられた例の中では、図−5のように、軟弱地盤に造成された土地で、杭基礎で支持された建物の床下に、供用中に進行した地盤の沈下に伴って発生してしまった大きな空隙の充填が最も多かったと思います。

 極端な場合は人が入れるほどの大きさになったこともありますが、全面に渉る広い範囲に空隙、空洞が広がりがちです。更に土を充填すれば沈下が進んでしまうと危惧される向きもありますが、充填材自体にはさほど支持力は要求されませんので、密度がそれ程高くない流動化処理土ならば、以後の沈下を促進させるおそれはありませんし、むしろ、その高い流動性によって、広範な狭い複雑な形状の空隙を完全に充填することに成功した、多くの施工実績を持っています。
 
 

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