昭和20年代半ば、敗戦直後の日本は、全く遅れていた機械化土工の黎明期でした。土の締固めの先進技術を貪欲に学んだ私達は、日本の最初の本格的高速道路の建設であった名神を含めて、多くの現場で締固め施工をたっぷりと体験する機会に恵まれました。そして良質な土を適度な水分状態で、適切な締固め機械でよく締固めると、非常に安定した支持力のある盛土、路床・路盤などの土構造物を造成できることを身に沁みて体験し、心底から理解することができました。
また、それと並行して、彼等の知識では克服し得ない日本の気象、土質に起因する特殊性の存在を知り、各地での、多くの締固め施工に接している内に、何となく外国から導入された立派な締固め・転圧機械が、十分に機能を発揮できない、次に列挙するような条件の現場が、日本には多すぎるとの不安を感じ始めていました。
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